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The dark to which it stops[02] ~The invited dark~

「人違いじゃありませんか?生憎と闇に溶けたまま声を掛ける様な知り合いは居ませんので」

 闇が動く。


 人「らしき」形を現す。


『これは失礼、あまりに懐かしいので姿を成す前に声を掛けてしまいました』


「なんだ手前ぇ、兄さんは人違いだっつってるぜ」


(やばい・・・コイツ強ぇ・・)



 背中に嫌な汗が伝う。


『ほぅ、彼は弟さんですか?』


 闇が、嬉しそうに目を細める。
 

『おっと、自己紹介が未だでしたね』


 姿が完全に現れた。



 ドミニオン族の中でも、高位である証の法衣を纏った男。


 真紅、血の様に赤い髪。
 口調は穏やかだが、纏わり付く様な瘴気。


「ドミニオン族 アニムスと申します 以後お見知りおきを」


「んで、そのアニムスが何の用だ」

 構えを崩さず、正面から問う。



「やはり、聞き覚えがありませんね。」



 いつでも詠唱可能。
 距離は置く。


「そして彼が」

 視線が、背後に移る。


 バッ!



 二人、背後を見る。

 
 佇む男がもう一人。


 彼もまた、高位である法衣を纏っていた。


 が。



 雰囲気があまりに違う。
 消え入りそうな程、弱く見える。
 しかし、彼にもまた異質な気配。



 虚ろ。



「彼はマリシャス。今は口が上手く利けないほど弱っていましてね」
「そいつはご愁傷様だな」


 ふふ・・・


 静かに笑うアニムス。


「だが、今日からはまた私と酒を酌み交わせる事でしょう」



 目が
  狂気を帯びる



「新しい器が手に入るのですからね」




 「器」  

 頭が酷く痛む



 器 器 器




 お前には    その素質
    魔力   お前が!




「おいティー兄!どうした!」




 膝が崩れ、頭を抱えて蹲るティーエル。


「おや、具合でも悪いのですか?」

 アニムスの左手が、ティーエルに触れようとした瞬間


「ちっ!寄るんじゃねぇ!」


 一閃
 
「おっと、元気なのは喜ばしいですが、乱暴なのはいただけませんね」


 すっ と、手を引く。


「こいつ!」


 明らかに顔から血の気が引いているが、何とか立ち上がる。


「まだ・・・諦めていなかったんですね」

「思い出していただけた様で」


 記憶と、経験と、直感が、訴える。




「コイツは危険だ」・・・・・と。





「随分と懐かしい事です、が」

 頭を軽く振り、杖を構える。



「まだ生きていたとは、父さんも詰めが甘い」



「こいつ、知ってるのか?」
「えぇ、2度と見たくない顔でした。『とても』嫌な気分になります」
「随分な言われようですねぇ」

 ワザとらしく眉を顰める。





「また私達の体を器にして、マリシャスを現世に留めさせようと云うのですね」






!?


「どういう事だティー兄!」


「我々は、貴方方の御両親の住んでいた村を襲撃した際に敗れてしまったんですよ。」


 やれやれ、といった感じで首を振る。


「その時にマリシャスが深手を負い、私も腕を切り落とされましてね」


 どこか嬉しそうに笑いながら語る。 




「大事な友が消えてしまう、そうなる前に現世に留めておこうとしたんですよ。」
「まだ幼かった私の体を器として・・・」


 燃え落ちる村。
 幼いティーエルに這いずる様に近付く黒い物。


「もう少しだったのですが、二人に邪魔されまして・・・いや、正確には貴方のお兄さんにもですがね」



 その前に立ち、目に恐怖が映り、涙と血を流し、それでも弟を守ろうとする少年。



「術式が中途半端になってしまい、何とか思念体は留まったのです。が、見ての通り虚ろでして」



「親父の野郎・・・きっちり殺っとけってんだ」
「まぁそう父上を悪く言わないで下さい。」

 視線がデュレスへと向けられる。



「新しい器をこうして誕生させてくれていたのですから!」



 迫る


 爪と槍が交差し、光が追う。


「ホーリーライト!」
「ハッ!」


 アニムスの横へ飛ぶ。

 気を研ぎ澄まし、加速。


 多方向からの槍。



 避けられる訳がねぇ!




 その刹那




〔リフ・・・レクション〕





地の底から響くような声。




「あ・・・が・・・」



 デュレスの体が吹き飛ぶ。


 体中に、斬撃の痕。




「いいアシストです、マリシャス」

「デュレス!」


 ヒールを放とうとするティーエルに、アニムスが立ちはだかる。


「殺しはしませんよ、殺しはね!」
「邪魔をしないで下さい!ホーリーグローーブ!」

 音も無く、闇へ消える。

「危ないですねぇ」

 
 また背後か!



 がしっ



「ぐあ!」

 振り向いた瞬間、顔を掴まれる。


「彼には気絶しておいてもらいます、元気が良すぎますので。そしてあなたには少し黙っててもらいましょう」






「新しい器に適合するか、試してみましょう」







 黒い何かが、掌に集まる。







『サイレントポゼション』






しま・・たっ






2008.02.14/Author:あぶくも@丸投げ
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2008/02/14(木) | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0)

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