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咲き誇れ、数多の華

「フォン姉さんって、どうしてファーマーに転職したんだ?」
「ボク?」

 ふと、何気無くハネウタがシロフォンに尋ねた。

「うーん・・・・・・ボクってファーイースト出身だから、どうしてもファーマーの方が性に合ってるって言うのかな?」

 そんな質問を受けるのは初めてだったので、疑問系な口調ながらも質問に答えた。

「フォン姉さんは何でも出来るから羨ましい。料理とか、裁縫とか・・・・・・・」
「やだなぁ、ハネちゃん。そんなに褒めても、おやつぐらいしか出せないよー?」

 ハネウタは感心しているが、シロフォンは照れながら茶化している。



「あらあら。何やら賑やかですわね」

 2人が盛り上がっていた所に、トセットが帰って来た。

「お帰り、トセちゃん」
「トセ姉さん、お帰りなさい」
「はい。ただいま帰りました」

 微笑を浮かべながら2人に返事をする。




「ところで・・・・・・フォンとハネウタは何の話で盛り上がっていたのですか?」

 やはり気になるのは、自分が居なかった所で楽しそうに盛り上がっていた2人の様子だった。


「あぁ・・・・・フォン姉さんは、どうしてファーマーを選んだのかって事を聞いてたんだ」
「あら、そうでしたのね。・・・・・・・・そう言えば、私と初めて会った時のフォンは転職する為に巨麦の穂を探していましたわね」

 トセットは数ヶ月前の記憶を手繰り寄せた。

「そうそう。巨麦の何を探せばイイのか判らなくて、林の中を右往左往していたら偶然にもベアと遭遇しちゃったんだ」

 あっけらかんと話したが、ハネウタは目を見開いて驚いた。

「ベアって・・・・・・・よく倒されなかったな」
「うん。ベアから逃げていた所にトセちゃんが偶然やって来て、ベアを退治してもらったんだよ」

と、しみじみと懐かしみながら想い出話に浸る。

「そうでしたわね。あの後、心配になったので穂が取れるまで付き添い・・・・・・・ファーマーに転職してから、そのまま一緒に生活する様になりましたわ。私も1人で居るより2人の方が良いと思ったんです」
「ふーん、そうだったのか」

 トセットとシロフォンとの出会いを知らなかったハネウタは、ようやく納得した。






「でもさ、フォン姉さんがファーマーに転職した理由は他にも有ったんじゃないのか?」
「言われてみると、そうですわよね・・・・・出身だけで職業を決めるほど、フォンは軽くは無いと思いますし」

 ハネウタが最初に出した質問の繰り返しだったが、今度は核心を突く様な問い掛けに、トセットもハネウタに続けて問い掛ける。

「え?うーん・・・・・・・その・・・・・・・理由って言えるかどうかは判らないんだけどー・・・・・・・」

 歯切れが悪さが気になるものの、暫くすると意を決した様に口を開いた。




「・・・・・・・・新しい花を、咲かせたくて」




「「花?」」


 予想外の回答に2人が同時に声を出した。



「でも、姉さん。栽培や園芸で色々な花を咲かせてるだろう?」
「うー・・・・・・確かに、花を咲かせる事が出来る様になったんだけどね・・・・・・・・」



 恥ずかしそうに。しかし、一瞬の躊躇を振り払うと力強く答えた。



「枯れない花を咲かせたい。荒廃した土地でも、草木が1本も生えない様な場所にでも、頑張って咲く花を作れるんじゃないかって、思ったんだ」



 そこまで言うと、我に返った様に慌てながら笑って茶化した。


「無理だって思ってるよねー。もう笑っちゃってもイイよ!!」



 しかし、2人はシロフォンを見て静かに微笑んだ。


「・・・・・誰も嗤ったりしませんわよ?」
「あぁ。嗤う様な奴が居たら、あたしが仕返ししてやるよ」
「ハネウタ。行儀が悪いですわよ?ですが・・・・・・・確かにフォンを嗤う事は許せませんわよね」
「そうだろう?」

「トセちゃん、ハネちゃん。・・・・・・・・・あはは。2人共、ありがとうっ!ボク、そろそろ御飯の支度してくるねっ!」


 シロフォンは赤面しながら、キッチンへ向かう為に家の中へ入って行った。









「フォン姉さんらしいな・・・・・・・花か。フォン姉さんってヒマワリとかタンポポみたいなイメージだな」
「花じゃ有りません。フォンは手入れをする方ですわ」

 花と聞いたハネウタは、シロフォンを花で例えようと似合いそうな花を幾つか挙げてみたが、トセットは違う意見を出した。


「幾ら花が咲いていようとも、それを手入れする人が居なければ綺麗に咲く事が出来ません」

「そうか・・・・・・剪定の方か」

「棘や悪い部分を丁寧に取り除き、見守って、立派に花を咲かせる。ハネウタ、貴女の棘もです」
「あたしの棘・・・・・・・」


「勿論、私の棘も。私達は、シロフォンに剪定されたのですよ」




2007.07.27/Author:苑@丸投げ
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2007/07/27(金) | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0)

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