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刻限アンサンブル [05] ~Each fighting~

「ディミソリースピア!!」
「マリオネット召還、エレキテル!!」

 2人は数分の間で50体以上ものモンスターを蹴散らしていたが、モンスターの増殖は止まらない。
 装置を破壊した所で増殖は停止するものだと判っているのだが、装置に近付く事すら侭なら無い状態だった。


「フォン、伏せなさい!・・・・・・ダークワールウィンド!!」

 その声に身を屈めると、トセットの持つ槍から紫黒色の波動がシロフォンの背後を狙っていたラーミアを斬り付ける。
 ラーミアは悲鳴と共にシロフォンの背後で倒れ、二度と動く事は無かった。

「トセちゃん、ありがと・・・・・・」

 言いながら横から這い出て来たゴーストを一掃する。

「幾ら倒してもキリが無いよ・・・・・・トセちゃん、此処はボクが引き受ける。
だから、トセちゃんはハネちゃんを連れ戻して!!」

 そう言いながら、天井を指した。
 2人が落下した床が今は天井と化しているが観音開きの状態なので、其処を通って行けばハネウタ達を追えると踏んだのだ。

「フォン・・・・・・」
「トセちゃん!!!」
「・・・・・・っ、頼みましたわよ!」

 シロフォンの一喝に、迫って来たモンスターの群れをディミソリースピアで一掃しながらモンスターの僅かな隙を突いて飛び立ち、先程まで5人が居た部屋へと辿り着いた。



「此処にはもう誰も居ませんわね・・・・・・」
 最初に目に付いたドアを乱暴に突き破りながら部屋の奥へと駆け出した。






『マルカート。そんなに根詰め過ぎは身体に毒よ?』
『ラタフィア。判ってるんだが・・・・・・もう少しで公式が解けそうなんだ』
『公式?あぁ、前に言ってた魔法処理・・・だったかしら?』
『そうだ。サンプル達の魔力を抑制させれば、違った角度からの研究が出来る。元々魔法を使う奴の研究が一番厄介だからな。あたしのマジックサイレンスだけじゃ魔力が有っても足りないぐらいだ』
『ふーん。魔法と言っても色々な魔法が有るものね』
『そうなんだ。公式を解明する事が出来たら研究も軌道に乗れると思うしな』







「・・・・・・そして、公式を未完成のまま貴女は姿を消した。残った皆で研究を続けた結果、未完成ながらも形にする事が出来たわ。其れが、そのリングよ」

 先程の部屋から出た3人は別室に移動していた。
 其処はコンクリート打ちっ放しで広く、簡素な部屋だった。
 ラタフィアは抵抗するハネウタをロボットアームで掴んだままジオストラの元に近付ける。
 ジオストラはハネウタの右手首に巻かれているリングに鎖を通し、近くのポールに鎖を結ぶ。

「記憶が全て戻ったワケでは無い。でも、コレに関しては全く覚えていないな」

と、右手首のリングを指差して言う。

「覚えていないならいないで結構よ。貴女には感謝しているんだから」

 そう言い、ロボから降車するとニコッと嗤った。


「結局の所、貴女は自分で自分の首を絞めた事になるのよ?」



「・・・・・・ん?」

 ジオストラが周囲を見回しながら耳を澄ませる。

「ラタ。あのタイタニア・・・・・・トセットとか云う奴が近付いてるぞ」
「何ですって?あの包囲網を突破したとでも?」

 ジオストラの報告に驚愕を隠せずに声を大にして返す。

「ふん。トセ姉さんとフォン姉さんを甘く見るんじゃない。あんた達が姉さん達に制裁されるのも時間の問題だ」

 鼻で笑いながら2人に警告した。

「ジオストラ。私が行くわ。マルカートの監視をお願い」

 そう言い、再びロボに乗り込むと、何か思い出した様に振り返った。



「そうそう。このリングを装着した場合、マジックサイレンスの状態になる事は身を持って知ったわよね?でも、付加機能を発見したの。それは常にリフレクション状態となる事。つまり、自分からも外部からも魔法の影響を受けなくなる。コレを装着している今の貴女は何の力を持たない・・・・・・無力よね」



 更なる事実を聞かされ、言葉を失った。










「此処も・・・・・・違いますわね」

 ドアを突き破った其処は、机と椅子だけが置かれていた部屋だった。

「貴女の様な乱暴なタイタニアは初めて見るわ」
 部屋の奥の扉から、ロボに乗ったラタフィアが姿を見せた。
「それは失礼しましたわ・・・・・・でも、充分過ぎる理由が有りますから」

 対峙した2人は至極静かな様子で淡々と喋っているが、ピリピリとした様子が滲み出ている。

「貴方達に、ハネウタは差し出せません!!」

 床を軽く蹴ると、正面から槍を突き出す。
 それと同時に、ラタフィアの乗ったロボアームが勢い良く伸ばされる。

 ギィィンッ!!

 激しい金属音の衝突音が部屋中に響き渡った。


「ぐっ・・・・・・」

 その一撃で後方に吹き飛ばされて壁に背中から衝突してしまったが、咄嗟に受け身を取ってダメージを最小限に抑える。

「私達も退く訳には行かないのよ!!」
 ラタフィアが叫ぶと、ロボから眩しい光が迸る。
「貴女達との格の違いを教えてあげるわ」

 トン・・・と、床に足を付きながら槍を一振りして空気を斬る。

「格ですか・・・・・・其方が本気で有る様に、私達も本気です」


 スッと目を閉じると、槍を高々と天に掲げる。



「身に潜む闇の従者、深き漆黒の呼び声に応え目覚めなさい。ダークウェポン!!」

 詠唱と同時に紫黒色の光が纏われ、詠唱が終わると光はトセットの身体に吸い込まれた。


「ダークストーカー・・・・・・」

 トセットが再び何かの詠唱を始めたのを見て、自分も操作盤を操る。


「対象物確認、チャフ発動!」
「闇への洗礼、血の烙印!」


 ラタフィアは闇属性から成るダメージを受け易くなり、トセットはラタフィアへの命中率を下げられる。
 互いに足元を掬われてしまう状態になってしまった。











 一方、地下で孤軍奮闘しているシロフォン。

「マリオネット召還、タイニーゼロ!ファランクスっ!!」

 タイニーを召還させると、シロフォンの命令を聞く前に逸早く動いていた。
 状態異常を引き起こさせるポケポケで周囲のモンスター達の動きを次々と鈍らせる。
 鈍化、睡眠、毒、石化と云った様々な異常に陥り戸惑うモンスターの隙間を抜けると、畳み掛ける様にファランクスで斬り付ける。

 目の前に居た使い魔をバニシングブロウで一掃させた所、絶命寸前に繰り出したマジックポイズンで自身の身体に毒を受けたが、それに構う事無く装置に向かって駆け出した。

 装置と言っても機械で構成された物では無く、属性を持つ水晶体の様な形だったので、一見すると飾り物にしか見えなかったが、それから発せられる波動に装置だと気付くまで時間は掛からなかった。

「壊れ・・・・・・ろっ!!」

 シロフォンが持つ柔和な容姿から想像出来ない禍々しい凶器で有り唯一の武器、髑髏の頭が飾られている死神の鎌を振り翳すと装置に向かって叩き付けた。

 数回ほど鎌を振り下ろしていたが、毒の回りが限度に達したのでマルチサプリメントとヒールサプリメントを取り出して両方を一気に飲み干す。

 体力回復の余韻に浸る事無く、一心不乱に装置を破壊すべく鎌を振るう。

 装置を破壊しようとしているシロフォンに気付いたモンスター達の襲撃を撃退しながらの作業。
 体力は限界に達していたが、それでも気力だけで鎌を振るう。


「これで・・・・・・最後だっ!!」


 少し刃零れが起きた鎌で装置を真上から叩き潰した。

 すると、ガシャンと云う音を立てながら装置から小さな爆音が起こり、ガラガラと崩れ落ちた。


「やった・・・・・・!」


 歓喜に浸ろうとしていたが、倒し切れていないモンスター達が襲い掛かって来る。

 マジックキャンディーを2・3個まとめて口の中に放り込むと、其れを味わう事無く噛み砕いた。
 そして、マリオネット・エレキテルに憑依すると詠唱を始める。



『少しでも粘らなきゃ此処は越えられないからねっ・・・・・・マリオネット・オーバーロード!!』



 エレキテルの憑依した身体が薄い光で包み込まれた。










「・・・・・・装置が、破壊された」

 ジオストラが装置の一部の反応を見て呟いたが、それを聞き逃さなかったハネウタが鼻で笑った。

「ざまあみろ。姉さんの力を甘く見た報いだ」
「そうだな・・・・・・でも、念には念を入れよと言っていたのは・・・・・・マルカート、お前だ」

 その言葉に首を傾げた。



「あくまでも、あの装置はモンスターを召還させる為の物。「何が起こっても」、対応出来る様に作られた」



 そこまで聞いたハネウタの顔色が変わった。


「まさか・・・・・・」







「破壊されるのは仕方の無い事。でも其れは危険予知の範囲内」

 ラタフィアが説明した直後だった。



「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」



 シロフォンの悲鳴が聞こえて来た。


「・・・・・・フォン!?」


 シロフォンの声を聞いたトセットに一瞬の隙が出来たのを見逃さなかった。
 トセットが我に返る僅かコンマ1のタイミングでロボアームがトセットの右腕を捕らえる。

「っ・・・・・・!!」

 アームがトセットを離すと、数メートル後退してトセットと距離を置いた。


「マルカートが作った魔法物質を加工させた物。貴女もマルカートの状態を見た以上、どういう事か理解出来るわよね?」


 トセットの腕にはハネウタが装着させられたリングが巻かれてあった。










「装置は壊したハズだよ・・・・・・何で更にモンスターが出て来るの!?」
 シロフォンは困惑と恐怖に怯えながら息を殺して瓦礫の中に身を潜めていた。

 装置を破壊してモンスターの残党を排除した直後に装置が突然発光するや否や、闘った事の無い強力なモンスターが召還されたのだ。

 マリオネット・エレキテルのお陰で倒れる事は無かったものの、どう足掻いても敵わないと悟ったシロフォンが取った最良の方法は、身を潜めて隠れる事のみ。





 破損した装置から何かが聞こえていた。







『本体システム98%破損ヲ確認、システム復元中、スペアシステム緊急解除』



 カチリ。
 ピ・ピ・ピ。ピーーーーーー





『全総員に告グ。速ヤカニ対象物ノ処理作業ニ移行セヨ。繰リ返ス、速ヤカニ対象物ノ処理作業ニ移行セヨ。』 





2007.11.06/Author:苑@丸投げ
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2007/11/06(火) | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0)

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